会社から支給されたパソコンを使っていると、つい自分のもののように感じてしまうことがあります。ですが、あくまで「業務用」であり、私的な利用には注意が必要です。
とくにパソコン初心者さんは、どこまでがOKで、どこからがNGなのか判断がつきにくいもの。この記事では、会社のパソコンでやってはいけない行動や、私的利用がもたらすリスクについて、わかりやすく解説していきます。
会社のパソコンは「私物」ではないと理解しよう
会社のパソコンを使ううえで、まず大前提として理解しておきたいのが「このパソコンは私物ではない」ということです。ついつい自分の道具のように使ってしまいがちですが、目的はあくまでも業務です。
ここでは、その基本的な考え方について、初心者さん向けにわかりやすく解説していきます。
会社支給のパソコンは「業務専用」
「家で使ってるパソコンと同じように使ってもいいんじゃないの?」、そんなふうに思っている人も、意外と多いかもしれませんね。
でも、会社から貸与されるパソコンというのは、あくまでも“仕事のため”に使うためのものです。
つまり、業務以外のことには使わないのが原則です。ここが自分のパソコンとのいちばん大きな違いといえます。
例えば、私的なネットショッピングをしたり、家族や友人とのメールに使ったりするのも、実はNGなケースがほとんどです。それがトラブルの原因になることもあるため、会社によっては厳しく制限しているところもあります。
また、業務専用である以上、そのパソコンの中には社外秘の情報や顧客データなど、重要なデータが多く含まれている可能性があります。そういった情報が、もし外部に漏れてしまったら…と考えると、気軽に使えないのも納得ですよね。
最初は難しく感じるかもしれませんが、「会社のものを預かっている」という意識を持つことがとても大切です。パソコン初心者さんにとっては慣れない部分も多いと思いますが、まずはこの考え方をしっかり押さえておくと安心です。
私的利用がなぜ問題になるの?
「ちょっと調べ物するくらいなら大丈夫でしょ。」、そんなふうに軽く考えてしまう初心者さんも多いかもしれません。
ですが、会社のパソコンでの私的利用は、たとえ少しのつもりでも大きなリスクにつながる可能性があります。まず一つ目は、セキュリティの問題です。
私的に使っているときに、うっかり危険なサイトにアクセスしてしまったり、不審なファイルを開いてしまったりすることがあります。その結果、ウイルスに感染したり社内ネットワーク全体に影響が出たりすることもあるんです。
もう一つの理由は、情報漏えいのリスクです。SNSに何気なく投稿した内容や、ファイルの保存ミスなどが原因で、大事な社内情報が外に出てしまう可能性もゼロではありません。
また、勤務中に私的利用をしていたことが上司にバレてしまえば、「サボっていた」と判断されてしまうこともあります。信頼を失ってしまえば、今後の仕事にも影響してしまうかもしれませんよね。
私的利用がなぜNGなのか。その理由を知っておくだけでも、日々の行動に差が出ます。「仕事以外は使わない」と意識することが、自分を守ることにもつながりますよ。
誤解しやすいポイント
「みんなやってるなら、少しくらいいいんじゃない?」、そう思ってしまう気持ち、よくわかります。ですが、そこに大きな落とし穴があるんです。
特に誤解しやすいのが、「家で使っているPCと同じ感覚でいい」と思い込んでしまうこと。でも、会社のパソコンには会社のルールや責任がついてまわります。個人の自由がきく家庭用PCとは、まったく違う存在なんです。
たとえば、フリーソフトのインストール。自宅では便利だから使っていても、会社では禁止されているケースが多くあります。理由は、動作が不安定になったり、情報を抜き取るような悪質なソフトが紛れているリスクがあるからです。
また、「USBメモリを挿してデータを移すだけ」も、気軽にやってしまいがちな行動です。ですが、それによってウイルスを持ち込んでしまったり、社外に機密情報が漏れてしまったりする危険性があるのです。
「大丈夫そう」に見えることが、本当はNGな行為かもしれません。不安なときは、先輩や上司に一言確認するだけで、防げるトラブルもたくさんありますよ。
会社のパソコンでやってはいけないNG行動とは?
会社のパソコンは業務に必要な作業を行うためのものです。でも、初心者さんにとっては「どこまでがOKで、どこからがNGなのか」がわかりにくいこともありますよね。
ここでは、具体的にやってはいけない行動を例にあげながら、注意すべきポイントをお伝えします。
私的なネットサーフィンやショッピング
会社のパソコンで私的なネットサーフィンやショッピングをするのは、基本的に避けたほうがいい行動です。業務とは無関係なサイトを見ること自体が、社内規定に反している場合があるためです。
とくに勤務時間中の利用は「私用で仕事をサボっている」とみなされることもあり、評価に影響することもあります。
また、ネット上には安全でないサイトも多く存在しています。怪しい広告をクリックしたり、不正な通販サイトにアクセスしたりすると、ウイルス感染やフィッシング詐欺に巻き込まれる可能性もあります。
そうなると、パソコンだけでなく社内ネットワーク全体に影響が出るおそれもあり、大きなトラブルに発展しかねません。
さらに、検索履歴やアクセスログは社内で確認できることが多く、「何をしていたのか」が後から見られてしまうケースも。悪気がなくても、「ルールを守れない人」と見られてしまうのはもったいないですよね。
仕事中はもちろん、お昼休みなどの空き時間でも、私用のネット閲覧はなるべく避けるのが安心です。どうしても必要な場合は、スマホを使うなど、会社のパソコンを使わないように意識してみましょう。
SNSや動画サイトの視聴
「ちょっとだけ動画を流しながら仕事したいな。」「SNSの通知だけチェックしておこう。」、そんな気持ちになること、ありますよね。
ですが、会社のパソコンでSNSを開いたり、動画サイトを見るのは基本的に避けたほうがよい行動です。まず第一に、仕事に集中できなくなるリスクがあります。短い時間のつもりが、気がつけば時間が過ぎていたということも珍しくありません。
また、SNSや動画は常に通信が発生するため、社内のネットワークにも余計な負荷をかけてしまう可能性があります。
さらに注意したいのが、広告やコメント欄、関連動画などから不用意に別のページへアクセスしてしまうことです。その中にはウイルスを仕込んだサイトや、詐欺まがいのコンテンツが含まれていることも。何気なくクリックしただけで、パソコンが危険な状態に陥ることもあるのです。
それに加えて、SNSでは誤って業務内容や社内情報を投稿してしまうリスクもあります。一度インターネット上に出た情報は、完全に消すのが難しいため、慎重にならなければなりません。
仕事用のパソコンでは、SNSや動画サイトは開かない。それを心がけるだけでも、トラブルのリスクはぐっと減らすことができますよ。
H3:個人のUSBメモリや外部デバイスの接続
「自分のUSBメモリでちょっとファイルを持ち込みたいだけ。」、そんな軽い気持ちで、個人のデバイスを接続していませんか?
会社のパソコンに個人のUSBメモリや外部ハードディスクなどをつなぐ行為は、とても危険でリスクの高い行動とされています。なぜなら、外部デバイスはウイルス感染の温床になりやすく、たった一度の接続でも社内ネットワークに悪影響を与えるおそれがあるからです。
とくに、家のパソコンと共用しているUSBメモリには、知らないうちにウイルスが入っているケースもあります。それを会社のパソコンに挿すことで、社内システムに被害が及ぶ可能性があるのです。
また、逆に会社のパソコンから個人のUSBにデータをコピーして持ち出す行為も、情報漏えいの原因になります。業務に関するファイルが、社外に流出するリスクは決して小さくありません。
たとえ便利に見えても、「社内で許可されていないデバイスは接続しない」ことが鉄則です。必要な場合は、必ず担当部署や上司に確認をとるようにしましょう。少しの注意が、会社全体を守ることにつながりますよ。
ゲームやフリーソフトのインストール
「昼休みにちょっとゲームで気分転換したいだけなんだけど。」「便利そうなソフトだから入れて使ってみたいな。」、そんなふうに思うこともあるかもしれません。
ですが、会社のパソコンに個人でゲームやフリーソフトをインストールするのは非常にリスクが高い行動です。まず、これらのソフトの中には、悪意あるプログラムが仕込まれていることがあります。
表面上は問題なく見えても、裏でパソコンの情報を抜き取ったり、不具合を引き起こしたりするものも存在するのです。
また、会社のパソコンは多くの場合、システム担当者が一元管理しています。そこに勝手にソフトを追加してしまうと、予期せぬトラブルやセキュリティホールを生む原因になりかねません。万が一トラブルが発生した場合、その原因を探すために多くの時間や手間がかかってしまうこともあります。
ゲームに関しては、業務中のプレイはもちろん、インストール自体が就業規則で禁止されている企業がほとんどです。「軽い気持ちで入れたソフトが、会社全体のトラブルにつながることがある」と覚えておくと安心です。
便利そうなソフトほど慎重に扱い、インストールが必要な場合は、必ず事前に許可を取りましょう。
社外への無断データ持ち出し
「この資料、家でちょっと見ておこうかな。」「USBにコピーするだけなら簡単だし大丈夫でしょ。」、そう思ってデータを外に持ち出すのは、非常に危険です。
会社のパソコンにあるデータは、基本的に社外へ持ち出してはいけない重要な情報です。たとえ自分が関わっている仕事の内容でも、勝手に外部に持ち出すことはルール違反になることがあります。なぜなら、外部へのデータ移動は情報漏えいのリスクが非常に高いからです。
例えば、USBメモリや私用パソコンにコピーしたデータをうっかり紛失したり、誰かに見られてしまったりすることがあります。メールに添付して送る場合でも、誤送信によって第三者に届いてしまうこともありますよね。その一つひとつが、大きな問題に発展するきっかけになるのです。
さらに、社外での作業はセキュリティが十分でないことも多く、ウイルス感染やハッキングなどのリスクも高まります。その結果、会社全体の信頼が損なわれたり、取引先との関係に悪影響が出たりすることも。
「必要だから」「自分だけだから」と自己判断せず、データの持ち出しは必ず会社のルールを確認してから行うことが大切です。ちょっとした油断が、取り返しのつかない事態を招くこともありますからね。
会社のパソコンで私的利用するとどうなる?
「ちょっと使っただけだし、バレないだろう」そんな気持ちで私的利用してしまう初心者さんも少なくありません。でも、万が一発覚してしまったとき、どんな影響があるのかをあらかじめ知っておくことはとても大切です。
ここでは、私的利用によって起こり得るリスクやトラブルについて詳しく見ていきます。
私的利用が発覚したときのリスクとは?
「ほんの数分SNSを見てただけなのに…。」、そんなふうに、軽い気持ちで使ったことが問題になるケースは少なくありません。
会社のパソコンは、システム管理者によって利用状況が記録されていることが多く、どのサイトを見たか、どんなアプリを使ったかなどが把握できるようになっています。そのため、「バレないだろう」と思っていても、ログや履歴から私的利用が発覚することは十分にあり得ます。
もし発覚した場合、最初に起こるのは「注意」や「口頭指導」ですが、繰り返してしまうと「始末書の提出」や「人事評価への影響」につながることも。就業規則で禁止されている場合には、懲戒処分になる可能性もあります。
また、単なるルール違反として終わらず、「仕事に対する姿勢が疑われる」というのも大きなリスクです。「この人は、仕事中に私的なことをしてしまう人」という印象がついてしまうと、信頼の回復はなかなか難しくなります。
さらに怖いのが、会社の情報が外部に漏れてしまうなど、重大な問題に発展した場合。本人が悪意なくやったことであっても、被害が大きくなれば、社内外に深刻な影響を与えることになります。
「少しだけなら大丈夫」と思う前に、「見られているかもしれない」「信頼を失うかもしれない」と考えることが、トラブルを防ぐ第一歩です。自分自身を守る意味でも、業務以外の利用は避けるよう心がけましょう。
社内規定違反による処分の可能性
「えっ、ちょっと私用で使っただけで処分されるの?」そんなふうに驚く人もいるかもしれません。でも、実際にはその可能性がゼロとは言い切れないんです。
多くの会社では、就業規則や情報セキュリティポリシーの中で、パソコンの利用ルールが明確に定められています。そこには「業務目的以外での利用を禁止」と記載されていることも多く、このルールに反する行為は、社内規定違反とみなされます。
はじめは軽い注意や指導で済むことが多いですが、何度も繰り返したり、悪質と判断された場合には、減給や降格、さらには懲戒処分に発展することもあるんです。会社によっては、システム部門が利用状況を定期的にチェックしており、意図せず履歴が記録されているケースもあります。
また、仮に業務に支障が出た場合には、「職務怠慢」として評価に影響する可能性もあります。一度悪い印象を持たれてしまうと、それを挽回するのはなかなか大変ですよね。
知らなかった、軽い気持ちだった…では済まされないのが「社内ルール」です。不安なときは「この使い方、問題ないかな?」と確認する習慣を持っておくと安心です。それが自分を守ることにもつながります。
情報漏えいやウイルス感染のリスクも
「まさか自分の行動でそんなことになるとは思わなかった。」これは、トラブルを経験した初心者さんがよく口にする言葉です。
会社のパソコンには、業務に必要なファイルや顧客情報、社内の機密データなど、大切な情報がたくさん詰まっています。そんなパソコンを私的利用することで、思わぬ形で情報が漏れてしまうリスクがあるんです。
たとえば、個人のメールアカウントに業務ファイルを送ったり、SNSでうっかり社内の話を投稿してしまったり。また、USBメモリやクラウドサービスを使って情報を外に出してしまう行為も、重大なセキュリティインシデントにつながるおそれがあります。
さらに、フリーソフトのインストールや怪しいサイトの閲覧を通じて、ウイルスが侵入するケースもあります。このようなマルウェアは、知らないうちにパソコンを通じて社内全体に感染を広げることもあるんです。
ひとつの小さな行動が、会社全体に大きな損害を与えてしまう可能性もあります。そしてそれは、信頼を失うだけでなく、自分の立場を危うくする結果にもなりかねません。
「ちょっとくらい平気かな」と思ったときこそ、一度立ち止まって考えることが大切です。
自分と会社の安全を守るためにも、慎重なパソコン利用を意識していきましょう。
トラブルを防ぐための心がけ
パソコンの操作にまだ慣れていない初心者さんは、「これくらいなら大丈夫かな」と思ってやってしまう行動が、思わぬトラブルにつながることもあります。
ここでは、日ごろから気をつけておきたい意識や行動のポイントを、やさしくお伝えしていきますね。
「つい」がトラブルの元になる理由
「つい動画サイトを開いてしまった。」「つい家でも使いたくなって、データをUSBにコピーした。」、そんな「つい」の積み重ねが、大きなトラブルを呼び寄せることがあります。
初心者さんにとって、パソコンの操作はまだまだわからないことが多いですよね。そのぶん、「これはやっていいのかな?」という判断がつきにくく、なんとなくの感覚で使ってしまう場面が出てきがちです。でも、その「なんとなく」の使い方が、社内ルール違反や情報漏えいのきっかけになることもあるんです。
たとえば、「少しだけなら…」と私的な買い物をしてしまったり、SNSにログインしてしまったり。それが社内で問題になった場合、「意図的にやった」と受け取られることもあります。本人に悪気はなくても、周囲からの信頼を失う原因になってしまうのは、とてももったいないことですよね。
さらに怖いのが、セキュリティリスク。「ついクリックした」リンク先にウイルスが仕込まれていた場合、それだけで会社全体に影響を与えるかもしれません。
大切なのは、「これくらいなら…」という感覚に頼らず、わからないときはすぐに確認することです。ほんのひと手間をかけるだけで、大きなトラブルは防げます。毎日の中で少しずつ、安心できる使い方を身につけていきましょう。
わからないときは自己判断しない
「このくらいなら大丈夫かな。」「前の職場ではOKだったし、たぶん問題ないはず。」、そう思って自己判断してしまうこと、ありますよね。
でも、会社のパソコンにはそれぞれの職場ごとのルールや管理方針があります。たとえ以前の職場でOKだったことでも、今の会社ではNGというケースは珍しくありません。とくに初心者さんは、経験が少ないぶん「なんとなく」の判断に頼りがち。ですが、それが規定違反やセキュリティ事故につながる危険性もあるんです。
たとえば、社外のクラウドサービスにデータをアップしたり、無料ソフトを使って作業したり。本人としては便利だと思って使っていても、社内では明確に禁止されていることもあります。そのまま進めてしまうと、「勝手にやった」と受け取られ、信頼を損ねてしまうこともあるんです。
そんなときに大切なのが、「これはやっていいですか?」と一言確認すること。たったそれだけで、トラブルの芽を未然に防ぐことができます。
わからないときほど、勝手に進めずに相談する。その姿勢が、安心してパソコンを使い続けるための基本になりますよ。
セキュリティ意識を持つことが大切
「セキュリティって、なんだか難しそう。」そう感じている初心者さんもいるかもしれませんね。でも、実はちょっとした心がけで、セキュリティ対策はぐんと身近になるんです。
まず覚えておきたいのは、会社のパソコンは外のネットワークにつながっていて、常に危険と隣り合わせだということ。ウイルス感染や不正アクセス、データの流出といったトラブルは、意外と身近なところから起こります。
たとえば、パスワードを簡単なものにしていたり、別の人が使えるように画面を開きっぱなしにしていたり。あるいは、不審なメールの添付ファイルをうっかり開いてしまったり。こうした何気ない行動が、大きなセキュリティ事故の引き金になることがあるんです。
対策としては、まず「怪しいリンクやファイルは開かない」「定期的にパスワードを変える」「席を離れるときはロックする」などの基本を守ること。そして、「自分が入口になってしまうかもしれない」という意識を持っておくことが大切です。
初心者さんだからこそ、最初の段階で正しい習慣を身につけておくと安心です。日々のちょっとした注意が、自分と会社の安全を守ってくれますよ。
会社のパソコンは、仕事のために使う大切なツールです。「ちょっとくらいなら…」という気持ちから、私的利用をしてしまう初心者さんも少なくありませんが、それが思わぬトラブルや信用の低下につながることもあります。
とくにネット利用やデバイスの接続などは、セキュリティリスクを伴うため注意が必要です。まずは「会社のものを使わせてもらっている」という意識を持つことが大切。
わからないことは自己判断せず、社内ルールを確認したうえで、安心・安全に使っていきましょう。